~  生活習慣病を考える  ~

第2回 医者の井戸端会議カンファレンス



今回のテーマ


コレステロール降下剤が本当に必要になる場面はどんな場面でしょうか?

 血圧は低くしておくのが良いのでしょうか?

 認知症は防げない病気なのでしょうか?

 新しい抗がん剤も実際の医療現場では、効果が上がらないというケースもたくさん聞かれます。

 では、どうすれば効果が高まるのでしょうか?

 標準治療と統合医療はどちらが良いのでしょうか?

 最新のガン治療とはどのようなものがあるのでしょうか?

 入院しながら統合医療を受ける事は可能なのでしょうか?

 これらの問題について、現場の医師をはじめ統合医療に関わる様々な立場の専門家の講演、意見交換を行います。


プロフィール


井上 正康 健康科学研究所所長、大阪市立大学 名誉教授 

 

<演題> 「現代医療と21世紀病の逆襲」

概要:多くの医師は医学部を卒業時に"ヒポクラテスの誓い"を宣誓させられるが、その中に「自身の能力と判断に従い、患者に利すると思う治療を選択し、害と知る治療法を決して選択しない」という項目がある。これは時空を超えた現代でも多くの医師の基本的倫理感の基盤となっている。

 

しかし、現実には"患者に良かれと思って一生懸命行ってきた治療法が患者に有害だったこと "も少なくない。これは数学や物理化学などに較べて "医学生物学が極めて未熟な科学であり、魑魅魍魎の人的欲望が関与する可能性が高い事"に起因する。

 

前者に関しては、過去百年に渡り外科的常識であった”消毒とガーゼ交換 "が創傷治癒を遅らせていた事や傷口を流水で洗浄後にサランラップで覆う "ラップ療法が劇的に奏功する事、あるいは"虫垂炎の予防目的で正常な中垂を切除"していたことなど、枚挙に暇がない。後者に関しては、コレステロール合成阻害薬、降圧薬、抗がん剤の乱用など、医療経済を背景とする問題が挙げられる。井戸端会議では、第二次世界大戦後の医療に大きく貢献してきた衛生思想や抗生剤の功罪、及び先カンブリア紀から生命を支え続けてきた共生微生物の意義を進化医学的に考察する。


大櫛陽一 大櫛医学情報研究所 所長

 

成人病センター、羽曳野病院、母子センター、府立病院、大阪大学麻酔科非常勤講師、東海大学医学部教授(基礎医学系)を経て、現在は東海大学名誉教授、大櫛医学情報研究所所長。

 

<演題>:世界から孤立している日本の診療ガイドライン

~高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドロームを中心として~

 

欧米では、2004年に治験の厳格化と、利益相反への批判が始まった。2010年3月、米国で医療保険改革法のサンシャイン条項が成立し、製薬企業などは医師や大学等への利益供与について、10ドル以上について個人名も含めて保健社会福祉庁の公的保険制度運営センターへ報告し、公開することが義務づけられた。故意の申告漏れについては年間最大100万ドルの罰則が課せらる。米国では、高血圧、コレステロール、食事の新しいガイドラインが発表されたが、それまでに比べて「破壊的」内容となっている。

  

日本では製薬企業から医学会のボスや大学教授への膨大な利益供与と、論文や営業資料のねつ造が続いている。このような状況に対して、欧米から医学論文やOECD勧告などにより日本の医療や健診制度に厳しい批判が寄せられている。日本の医療が経済的にも破綻に近づいており、科学的根拠に基づいて、無駄かつ副作用の多い医療からの脱却が必要である。

著書、テレビ、ラジオ出演等多数。


渡邊 昌 アジア太平洋臨床栄養学会 会長

 

国立がんセンターにいたころ、ステーキが好きで週6で食べていたら、体重が増えていき53歳で糖尿病となった。HbA1cは12.8%、高血圧、脂肪肝、脂質異常などまさにメタボの典型であった。予防医学の研究者がそれではいけないと思い、生活習慣を本気で見つめなおし食事と運動で糖尿病のコントロールをするように。1年で13㎏痩せ、自覚症状もなくなった。食事療法の効果を実感し、栄養学にのめりこむきっかけとなった。その後東京農大教授となり機能性食品を研究、イソフラボンの健康効果を発見。糖尿病治療に疑問をもち刊行した「糖尿病は薬なしで治せる」はベストセラーとなり、国立栄養研理事長として糖尿病の一次予防を担当、食育基本法の成立とともに石塚左玄の食養生の研究もして統合医療の必要性を広めた。病理、疫学、栄養、公衆衛生と医学研究の先端を歩み、今も日本抗加齢医学会理事や公益社団法人生命科学振興会理事を務めている。昨年からアジア太平洋臨床栄養学会の会長としてアジア人の栄養学の樹立を目指す。2019年4月にメデイカルライス協会設立。

「ライフサイエンス」「医と食」「Diabetes Res]「APJCN」などの編集長。断食とケトン体、腸内細菌の研究では世界の先端を歩む。「栄養学原論」や「科学の先―現代生気論」など著作も多い。

「参加者のみなさんとdebateをしたいと思います。」というお言葉を頂いています。

<演題>

「治未病」の周辺

概要:

1.未病の定義付けと医療における位置付け

2.加齢にともなう腎不全の予防

3.玄米は地球をすくう

4.メデイカルライス協会とは


近藤  克彦 一般財団法人未踏医科学研究財団 理事長     

 

<演題>「知識蓄積型データベース技術の基礎と応用」


城谷昌彦(しろたに まさひこ)

ルークス芦屋クリニック院長

一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会専務理事

NPOサイモントン療法協会理事

 

 <演題>

「生活習慣病と栄養療法」

概要:「糖尿病や脂質異常症をはじめとする生活習慣病の増加は医療費高騰の一要因となっていますが、現代医療は生活習慣病に対しては対症療法が中心となっており、その根本原因を制圧するには至っていません。今後ますます予防医学が注目されていく中で、その主流となる治療法の一つであるオーソモレキュラー医学を基礎とした栄養療法の実際について解説するとともに、栄養療法を実践する上で成功の鍵を握る消化管との関連についても論じて見たいと思います。」

 

1995年 東京医科歯科大学医学部医学科卒業

神戸大学第四内科(千葉勉教授)入局 神戸大学附属病院内科研修医

1996年 三木市立三木市民病院内科研修医

千葉教授の京都大学消化器内科学教室教授就任に伴い同医局員

1998年 京都大学医学部附属病院病理部医員

1999年 兵庫県立塚口病院(現尼崎総合医療センター)消化器内科医

2002年 ニューヨーク・Shinya Clinic、Beth Israel Medical Centerにて新谷弘実教授の指導のもと内視鏡研修

2005年 医療法人社団城谷医院 副院長

2009年 Simonton Cancer Center(カリフォルニア)にてサイモントン療法研修

2009年 医療法人社団城谷医院 理事長/院長

2016年 ルークス芦屋クリニック開設

クリニックHP: www.lukesashiya.com

 

資格 所属学会:

日本消化器病学会専門医

日本消化器内視鏡学会専門医

日本内科学会認定医

日本抗加齢学会会員

など

著書: 「腸内細菌が喜ぶ生き方」(海竜社)

 

 


石川貴大 株式会社先端バイオ医薬研究所 代表取締役社長

 

<演題>

「遺伝子療法と新しい癌治療」

 

いよいよ日本でも遺伝子治療製剤が認可されようとしています。世界ではすでに広く実施されている遺伝子治療について、現状から今後の動きについてまとめます。

略歴

2002年 横浜市立大学大学院在学中、遺伝子解析会社である(株)ディーエヌエーバンクリテイル設立。

2004年 沖縄県うるま市に沖縄研究所を設立。

2015年 株式会社先端バイオ医薬研究所を設立。日本国内70カ所以上の病院・クリニックに技術提携を行い、同社のがん遺伝子治療技術を提供。兵庫医科大学 講師(非常勤)


井上英哲  井上カイロプラクティック・整骨院 院長

 

<演題>

「カイロプラクティクの医学的見解」

 

現代医療は病気になったことを見つけることが早期予防と考えますが 、カイロプラクティクは病理的兆候が出現する前に対応します。つまり病気にならない為に日頃からケアを考えます。

高額な医薬品、最新の手術はこれからも開発を競うでしょう。しかし、私達人間は自発的治癒能力を持って生まれてきます。その潜在している自発的治癒能力がなぜ発動しないのか?また、どうしたら発動されるのか?

この自発的治癒能力を活性化出来るのがカイロプラクティクなのです。

 

臨床を通して医学的見地からその機序を述べてまいります。


白川太郎医学博士  元京大、オックスフォード大教授

 <演題>

「進行がんにおける標準治療の限界と統合医療の可能性」

 

呼吸器を専門にしていた白川先生が海外からの新しい抗がん剤が来るとこれで一人でも多くの患者を治そうと誰よりも先にたって最新の治療を行ってきました。しかしその結果は全くいいものではありませんでした。その後、海外での活動の後に帰国し腸内菌の免疫作用を含めた統合医療にいち早く着手しますが、時が早すぎたためでしょう。大変な逆風の中、科学者としての信念を貫いて治療をしています。今回は世界でも最先端の技術CTC(血球のがん細胞)を見つけ、その種類わけ、治療という画期的な研究をお話いただけます。

By Binsei K


Igor Goryanin  (イゴール・ゴリヤニン)沖縄科学技術大学院大学 OIST

教授

Professor of International Health and Molecular Medicine 

<演題>個人の腸内微生物叢の分析に関する研究

 

私たちの腸には、1000種類の腸内菌と約3億の遺伝子(人間の遺伝子よりも150多い、腸のメタゲノムと呼ばれる)を表す約2-3 kgの細菌(ミクロバイオーム)が含まれています。これらのバクテリアは単なる乗客ではなく、必須の化合物を生成し、私たちの免疫、神経、心臓血管、および他のほぼすべての生物のシステムと通信します。各マイクロバイオームの3分の2は個人固有の「指紋」であり、個人について多くのことを教えてくれます。ミクロビオームは私たちを個性的に操作し、私たちを作ります。

高品質のシーケンス機能、独自のソフトウェアASAR、および専門家による手動分析を使用して、患者が自分自身をよりよく理解できるように支援できます。この分析は下記のような項目が評価できます。

微生物の健康状態(微生物の多様性)

 

細菌のプロバイオティクスの需要

肥満のリスク

潰瘍性大腸炎のリスク

腸の炎症プロセス、クローン病のリスク

糖尿病のリスク

冠動脈疾患のリスク

栄養のアンバランス

短脂肪酸生産

食事の傾向分析

病原性決定因子、抗生物質耐性

薬剤に関連する機能の存在

有毒な外因性化合物への暴露のリスク

微生物の代謝能力と量

 

毒性細菌による有毒物質の暴露のリスク

 

 


Lev Ovchinnikov 沖縄科学技術大学院大学 OIST 研究員Master of Engineering
深部体温計RTK-01のプログラムを担当した若きエンジニア。両親が数学者で5歳でコンピューターのプログラムを作ったと言う天才。モスクワのがんの専門病院で臨床技師としても活躍。深部体温計の臨床での使い方などを解説。

大野忠夫 セルメディシン株式会社 代表取締役社長

講演タイトル:

がん手術後の再発防止・転移予防・微小がん治療のための自家がんワクチン

 

講演概要:

我々は、1996年、ホルマリン固定病理切片を脱パラフィン処理し、in vitroで患者本人の末梢血から細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を誘導培養できることを示した(Nature Med, 1996)。これを応用し、in vivoでCTLを誘導、術後残存微小がん治療を可能にしたのが自家がんワクチン(AFTV)である。

初発術後の肝臓がんでは、ランダム化対照臨床試験により、延命効果が有意差をもってあることを示し(Clin Cancer Res, 2004)、自家がんワクチン投与1年後でも血中に肝がん特異抗原に対するCTLが存在することを証明した(Clin Case Rep, 2015)。脳腫瘍では、グレードIVの膠芽腫で切除不十分でありながら放射線とAFTVの併用治療で術後15年も完全奏効を維持している症例があり、初発膠芽腫24例では3年生存率が38%に達した(J Neurosurg, 2014)。病理医が治癒不可能と診断した腎盂がんが完治(Clin Case Rep, 2017)、どんな治療を行っても治らないのが常識とされている乳がん骨転移症例でも、日常診療におけるレトロスペクティブスタディ(n=20)で全生存期間中央値60ヶ月を達成、うち3例(15%)では1年以上の臨床的完全奏効状態を維持している(Int J Breast Cancer, 2018)。これは現時点における世界最高成績である。

しかしながら、これまでの3000例に及ぶ自由診療の経験から推測すると、術後であっても、再発した場合や大型の固形がんが体内に残っている場合は、治療効果を得るのは簡単ではない。やはり、がんは手術摘出可能な場合、術後の再発防止・転移予防・残存微小がん治療がキーポイントになっている。どのように対処すべきかについて、未だに標準治療法がないとされている子宮頸部小細胞がんの一症例を取り上げ、「AFTV+放射線+免疫チェックポイント阻害剤」による「アクセル・オン/ブレーキ・オフ」戦略について考察してみたい。

なお、自家がんワクチン療法を施行した症例では、いずれの場合も、免疫チェックポイント阻害剤が示すような重篤な自己免疫疾患性の副作用はなく、安全性に関する問題は全く出ていない。

  

プロフィール

1966年 東京大学薬学部卒

1971年 東京大学大学院薬学系研究科卒 薬学博士

1971-73年 米国ペンシルバニア大学医学部 研究員

1973-75年 北里研究所 臨時職員

1975-85年 科学技術庁放射線医学総合研究所 研究員

1985-03年3月 理化学研究所ジーンバンク室(細胞開発銀行) 室長

1999-2002年 中国・広東省広州市・中山医科大学付属第一医院肝胆外科 客員教授

2001年7月-現在 理研発ベンチャー/筑波大学発ベンチャー セルメディシン株式会社 創立 代表取締役社長

2003年3月-2013年3月 早稲田大学 各務記念材料技術研究所 → 理工学術院 客員教授

2005年4月-2019年3月 日本歯科大学生命歯学部口腔外科学講座 客員教授

2010年9月-現在 福井大学医学部内科学(2)領域 特別研究員

 

名誉会員:日本組織培養学会、米国臨床腫瘍学会(ASCO)

 

正会員:日本癌学会、日本癌治療学会、米国癌学会(AACR)、がんワクチン療法研究会、日本がん免疫学会、日本バイオセラピィ学会

 

独立行政法人・理化学研究所発で、同時に筑波大学発「がん免疫療法」開発のベンチャー企業。

 

東京大学大学院薬学系研究科卒 薬学博士。

専門分野は腫瘍免疫学、組織培養学、細胞生理化学、生体組織工学。

現在の主なテーマは自家がんワクチンの臨床開発、免疫アジュバント研究開発、細胞傷害性Tリンパ球、ナチュラルキラー細胞によるがん免疫細胞療法の研究など。

The AFAAR Prize (American Fund for Alternatives to Animal Research 賞)をはじめとする受賞歴も多数。


岡本 芳晴 

鳥取大学農学部共同獣医学科 教授

鳥取大学農学部附属動物医療センター長

 

<演題>「医師が知らない動物がん治療の世界」

 

現在国内には、犬が892万頭、猫が952万頭飼育されている。近年、ワクチンの普及、飼育環境の改善等により、犬猫の平均寿命は伸び続け、平成29年度の犬の平均寿命は14.19歳、猫は15.33歳である。この数字を28年前の1990年と比較すると、犬は1.7倍、猫は3倍にもなっている。高齢化に伴って、心臓疾患、腫瘍、腎不全、認知症等の病気が増加してきている。特に腫瘍に関しては、犬の場合10歳以上では約4割が腫瘍に罹患している状況である。

医学同様、獣医学においてもがんの標準治療は外科手術、放射線療法、化学療法である。しかし、これらの標準的治療では全てのがんを制御することはできない。演者らは、2010年にインドシアニングリーン(ICG)をアルキル鎖で修飾したICG誘導体を脂質二重膜に組み込んだリポソーム製剤(ICG-Lipo)を開発した。本剤はEPR効果により腫瘍組織に選択的に分布することから、効率的な局所抗癌剤治療ができ、併行してICGの光特性(発熱、活性酸素誘導)による温熱療法および光線力学療法(PDT)が可能である。今回、動物の自然発症例に対して本法を実施したので、その概要を報告する。

 

【プロフィール】岡本芳晴(おかもとよしはる)

昭和34年兵庫県生まれ。昭和58年北海道大学獣医学部獣医学科卒業。昭和62年北海道大学大学院獣医学研究科予防治療学専攻博士後期課程中途退学。昭和62年鳥取大学農学部助手、平成10年助教授、平成15年教授に就任。専門:獣医外科学(小動物外科専門医)。主な研究テーマ:がんに対する先端的治療(がん免疫療法、光線温熱化学療法等)の開発、内視鏡下手術の獣医臨床応用、種々のサプリメントの生物活性の検証、オゾン水の獣医臨床応用、等。所属学会:日本獣医学会(評議員)、日本獣医麻酔外科学会、日本キチン・キトサン学会、がんワクチン療法研究会、日本内視鏡外科学会、日本小動物獣医学会、日本光線力学学会(理事)、日本レーザー獣医学研究会(会長)、日本獣医再生医療学会(理事)、比較統合医療学会(理事)。業績:著書11編、原著(査読あり)187編、その他の論文(査読なし):164編、総説19編、学会発表(過去5年間)96回、特許取得15、外科手術用ビデオ作製36本、趣味:詩吟、家庭菜園、海草採取、バイク、ワイン、読書。

 

昭和34年兵庫県生まれ。昭和58年北海道大学獣医学部獣医学科卒業。昭和62年より鳥取大学助手農学部。平成15年教授に就任。専門:獣医外科学(小動物外科専門医)。

 

 


萬 憲彰 医新会 よろずクリニック

 

平成15年 産業医科大学 医学部 卒業

平成15年 鳥取大学医学部付属病院 第二内科入局(血液内科、腎臓内科、消化器内科など研修)

平成16年~平成20年 済生会江津総合病院勤務 消化器内科

平成20年~平成23年 十字会野島病院 消化器科医長

平成23年10月~平成30年8月 よろずクリニック院長

平成30年9月~ 医療法人医新会よろずクリニック 理事長

 

一般社団法人日本先制臨床医学会 理事

一般社団法人日本抗腫瘍ハーブ臨床研究会 代表理事

一般社団法人日本プロテオ検査研究会 代表理事

腸内フローラ移植臨床研究会 理事

特定非営利法人MCW経営サポートセンター 副理事長

 

<演題>

標準治療の利点と代替医療の利点を最大限に生かしたがんの統合腫瘍治療 

概要: 国民皆保険制度の我が国において保険適応の有無だけでエビデンスの有無を安易に判断材料にする傾向があるのは致し方ないのですが、たとえば抗がん剤の副作用が強く投与できなくなってしまった患者やガイドライン通りにがん治療を行っても奏功しない患者はその後医療を受けることができず、なんらかの治療を希望するにもかかわらず緩和ケアのみを提案することがはたして正しいのでしょうか。医師から見放されたと感じた患者や家族がとる行動は、あらゆる情報を駆使して有効な治療法がないか口コミやインターネットを用いて探し回ることです。そこには必ずしも費用対効果の優れるものや有効性のあるものばかりではありません。

 

ここに患者や家族側のニーズとわが国の医療制度との解離を感じます。我々医師は専門職としての知識・経験を活かし代替医療にも目を向け治療を希望する患者に最適な医療を提供する義務があるのではないでしょうか。

 

その中で重要なのは標準的な医療を否定することなくバランス感覚に優れた判断力だと思います。エビデンスレベルが高く保険適応のある治療法を最優先し、それを効率よくサポートするような医療こそが理想だと考えています。

 

今回標準治療とともに最先端の医療や古典的代替医療を組み合わせた統合腫瘍治療を検討しその成果も発表していきたいと思います。


小林正学 セレンクリニック名古屋 院長

(今回は、特別に萬先生との共同発表になります)

<演題>

「暗視野顕微鏡によるソマチッドの研究」

概要

ソマチッドはフランスの生物学者であるガストン・ネサン博士の研究で報告された血液内に存在する微小生命体です。がん患者の血液を暗視野顕微鏡で観察すると驚くべき世界が広がっています。今回は暗視野顕微鏡でがん患者の血液を観察した報告とともに、統合腫瘍治療におけるソマチッドの位置づけについて述べていきたいと思います。

 

プロフィール

2002年 富山医科薬科大学医学部卒業

2002年 名古屋市立大学外科入局

2007年 名古屋市立西部医療センター 

2010年 セレンクリニック名古屋 

2015年 名古屋市立大学大学院医学研究科卒業 セレンクリニック名古屋 院長

日本免疫・細胞治療学会 理事

名古屋市立大学放射線科研究員 日本外科学会認定登録医


田中 善 医療法人仁善会 田中クリニック 理事長

 

 

<演題>

「先制医療としてのがん治療戦略」

 

概要: がん治療において、再発・転移例、stageⅢ、Ⅳなどの進行がんにおいては手術、化学療法、放射線療法には限界がある。最近、免疫療法はじめ様々な治療が先制医療として注目されている。これらの複合的ながん治療戦略によりQOLを含めたがん統合医療の展開が期待される。現在までのがんの統合腫瘍治療をまとめてみたい。

 

プロフィール

鳥取大学 医学部医学科 卒業。

医学博士(大阪大学)。

大阪大学 第一内科(腎臓内科)、大阪厚生年金病院 腎臓内科医長を経て、

医療法人仁善会田中クリニック 理事長に就任。

日本内科学会認定内科医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、

日本医師会認定産業医、健康スポーツ医。

 

(一財)腸内フローラ移植臨床研究会代表理事

(一社)日本先制臨床医学会理事

点滴療法研究会ボードメンバー

IAOMT-Asia(International Academy of Oral Medicine and Toxicology)副代表

老化制御医学研究会常任理事

受賞歴 大阪府知事表彰(大阪府警察本部警察医)